姫サマはキワドいのがお好き☆
その男の反応は予想以上に速かった。男は暗闇で何も見えていないはずだった。しかし、男は暗闇で私たちの横をすり抜けていった。いつの間にか姫を抱きかかえていた。
姫を人質に取られた…。私たちのことに気づいていたのだ…。
ロンフが刃先を男に振り下ろす。が、その手はいとも簡単にひねられ床に押し付けられた。
「だーっ。」
その脇からカーリが飛び込んだ。小さな体が男の手をするりとかわして懐に入り込んだ。
「…。」
銀の閃光が男の首筋に向かう。が、かわされた。と、そのまま小さな体が宙に浮く。
「あっ…。」
カーリの体がロンフの上に叩きつけられた。
何とかしなければ…。
暗視ゴーグルでその先を見つめる。男にはぼんやりとしか見えていないはず…。
十分に距離をとってから…ナイフをしっかり握りしめた。
一瞬にかける。
ハッドは絨毯を力いっぱい蹴ると男に飛び込んだ。
ナイフを突き立てる。
だが、それは力なくさけられる。
男の手が伸びてくる。体を力いっぱいひねって避ける。が、そこにもう一本の手が飛んでくる。いつの間にか体の自由が奪われる。男の手の中にロンフのナイフが見える。それが首元に近づいてくる。
もう避けられない。暗闇の中で死ぬまでのこの一瞬が、暗視ゴーグルのおかげでしっかり見える。
殿下を助けることもできずに、悪人に返り討ちにされ、短い人生を送るのか…。
17年の人生の後悔が滝のように押し寄せる。
私は…しぬ。
姫を人質に取られた…。私たちのことに気づいていたのだ…。
ロンフが刃先を男に振り下ろす。が、その手はいとも簡単にひねられ床に押し付けられた。
「だーっ。」
その脇からカーリが飛び込んだ。小さな体が男の手をするりとかわして懐に入り込んだ。
「…。」
銀の閃光が男の首筋に向かう。が、かわされた。と、そのまま小さな体が宙に浮く。
「あっ…。」
カーリの体がロンフの上に叩きつけられた。
何とかしなければ…。
暗視ゴーグルでその先を見つめる。男にはぼんやりとしか見えていないはず…。
十分に距離をとってから…ナイフをしっかり握りしめた。
一瞬にかける。
ハッドは絨毯を力いっぱい蹴ると男に飛び込んだ。
ナイフを突き立てる。
だが、それは力なくさけられる。
男の手が伸びてくる。体を力いっぱいひねって避ける。が、そこにもう一本の手が飛んでくる。いつの間にか体の自由が奪われる。男の手の中にロンフのナイフが見える。それが首元に近づいてくる。
もう避けられない。暗闇の中で死ぬまでのこの一瞬が、暗視ゴーグルのおかげでしっかり見える。
殿下を助けることもできずに、悪人に返り討ちにされ、短い人生を送るのか…。
17年の人生の後悔が滝のように押し寄せる。
私は…しぬ。