♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~③
難解なパズル
「…あれ?おかしいな?」
「どうしたんです、礼士先輩?」
一月二十一日、火曜日。
『E#102-32P』、この情報をもとに、学校の図書室に来た春子と礼士。
しかし、その番号の本だけ棚から見つからない。
そこで礼士は、書籍の貸し出しカウンターで、その本についての所在を確認したのだが…
「ああ、『平成奇術史』だね。
その本なら今、貸出中だよ」
「えっ?か、貸出中!?」
「貸出中、とはね…
困ったね、ハルちゃん」
「う~ん、しかも借りた人の名前は、個人情報で教えられないって言われちゃったし…
どうしましょう?
このままじゃあ、かるた部が…」
「…かるた部が、どうかしたの?」
春子と礼士の二人が困った表情で悩んでいると、ある一人の女子生徒が二人に近寄ってきた。
長い黒髪、綺麗に前髪は揃えられ、二重まぶたにぱっちりとした眼。
アニメに出てきそうな美少女。
それは以前、二人が美術部で起こった『輝きの魔術師事件』で知り合った雪野恵だった。
「あっ、雪野さん」
「お久しぶりですね雪野先輩。
元気にしてました?」
「おかげさまで。
あれ以来、静ねえとも上手くやっていけているし、本当に、あなた達には感謝しているわ。
…所で、かるた部がどうかしたの?
『このままじゃあ、かるた部が』って」
「えっ?
…あ、ああ、ええと…」
「?」
これからかるた部に、何かが起ころうとしている事を公にしたくはないと思っていた為、しどろもどろな回答をしてしまった礼士、そしてそれに対して不思議そうな顔をした恵。
そこですかさず春子は、こう答えた。
「こ、このままじゃあ、今度の大会どころか、かるたインターハイまでぶっちぎりで優勝しそうな勢いだなあ~って、話してたんです。
ねえ、礼士先輩?」
「どうしたんです、礼士先輩?」
一月二十一日、火曜日。
『E#102-32P』、この情報をもとに、学校の図書室に来た春子と礼士。
しかし、その番号の本だけ棚から見つからない。
そこで礼士は、書籍の貸し出しカウンターで、その本についての所在を確認したのだが…
「ああ、『平成奇術史』だね。
その本なら今、貸出中だよ」
「えっ?か、貸出中!?」
「貸出中、とはね…
困ったね、ハルちゃん」
「う~ん、しかも借りた人の名前は、個人情報で教えられないって言われちゃったし…
どうしましょう?
このままじゃあ、かるた部が…」
「…かるた部が、どうかしたの?」
春子と礼士の二人が困った表情で悩んでいると、ある一人の女子生徒が二人に近寄ってきた。
長い黒髪、綺麗に前髪は揃えられ、二重まぶたにぱっちりとした眼。
アニメに出てきそうな美少女。
それは以前、二人が美術部で起こった『輝きの魔術師事件』で知り合った雪野恵だった。
「あっ、雪野さん」
「お久しぶりですね雪野先輩。
元気にしてました?」
「おかげさまで。
あれ以来、静ねえとも上手くやっていけているし、本当に、あなた達には感謝しているわ。
…所で、かるた部がどうかしたの?
『このままじゃあ、かるた部が』って」
「えっ?
…あ、ああ、ええと…」
「?」
これからかるた部に、何かが起ころうとしている事を公にしたくはないと思っていた為、しどろもどろな回答をしてしまった礼士、そしてそれに対して不思議そうな顔をした恵。
そこですかさず春子は、こう答えた。
「こ、このままじゃあ、今度の大会どころか、かるたインターハイまでぶっちぎりで優勝しそうな勢いだなあ~って、話してたんです。
ねえ、礼士先輩?」