♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~③
春子と礼士は、恵の指差した二人を見た瞬間、あっ、と思わず顔を見合わした。
「あら?この子達の事、知っているの?」
「ま、まあね…
片方だけなら…
ね、ハルちゃん?」
「そ、そうですね」
一人は、誰だか分からない。ただ、もう一人は昨日、谷本亮とかるた部内で口喧嘩をしていた多野たえ子だった。
「しかし、この人が大会に出る予定になっていたなんて…
…じゃあこの人が、その例の連帯責任で出場できなかった選手?」
「…礼士先輩。もしかしたら、この人がその例の連帯責任事件を起こしたのかも。
だって言ってたじゃないですか、谷本さん。
『あなたのした事を、まだみんな完全に許した訳ではない』って」
「…そう。松永さんの言う通り、喫煙事件を起こしたのは、その多野たえ子という子。
自分が大会の選手に選ばれなかった悔しさで、ヤケになって校庭の人目のつかない場所で喫煙していた所を、この学校の風紀取り締まり役になっている徳田先生に運悪く見つかって、停学処分を受けたの。
そのせいで、もう一人のこの子、多野さんとかるた勝負で勝って大会の選手に選ばれたのに、喫煙事件の連帯責任で大会を辞退せざるを得なくなってしまったの。
…城田結さん」
そう言って恵は、多野たえ子と横隣で並んで写真に写る少女を指差した。
「この人が…
あれ?でもこの城田って人、多野さんのキリッとした目つきを少したれ目にした以外は全体的に髪型から顔の作り、身長までそっくりだね、ハルちゃん」
「あら、本当。まるで姉妹みたいですね、礼士先輩」
それを聞いて、恵はふうっとため息をつくと、少ししかめっ面をしながら二人に言った。
「因みに、馬が合わない同士、そして容姿や体型が似た者同士、という所でお互い毛嫌いしていたみたいよ」
「成程ねえ…
(ん?何、ハルちゃん?)」
(今回の吸血奇術師の挑戦状にあった、人物A、つまり復讐者って、その城田結って人じゃないですか?
そして復讐される相手Bは、多野たえ子さん…
つまり、城田さんをマークさえしておけば、事件も未然に防げるんじゃ…)
「あら?この子達の事、知っているの?」
「ま、まあね…
片方だけなら…
ね、ハルちゃん?」
「そ、そうですね」
一人は、誰だか分からない。ただ、もう一人は昨日、谷本亮とかるた部内で口喧嘩をしていた多野たえ子だった。
「しかし、この人が大会に出る予定になっていたなんて…
…じゃあこの人が、その例の連帯責任で出場できなかった選手?」
「…礼士先輩。もしかしたら、この人がその例の連帯責任事件を起こしたのかも。
だって言ってたじゃないですか、谷本さん。
『あなたのした事を、まだみんな完全に許した訳ではない』って」
「…そう。松永さんの言う通り、喫煙事件を起こしたのは、その多野たえ子という子。
自分が大会の選手に選ばれなかった悔しさで、ヤケになって校庭の人目のつかない場所で喫煙していた所を、この学校の風紀取り締まり役になっている徳田先生に運悪く見つかって、停学処分を受けたの。
そのせいで、もう一人のこの子、多野さんとかるた勝負で勝って大会の選手に選ばれたのに、喫煙事件の連帯責任で大会を辞退せざるを得なくなってしまったの。
…城田結さん」
そう言って恵は、多野たえ子と横隣で並んで写真に写る少女を指差した。
「この人が…
あれ?でもこの城田って人、多野さんのキリッとした目つきを少したれ目にした以外は全体的に髪型から顔の作り、身長までそっくりだね、ハルちゃん」
「あら、本当。まるで姉妹みたいですね、礼士先輩」
それを聞いて、恵はふうっとため息をつくと、少ししかめっ面をしながら二人に言った。
「因みに、馬が合わない同士、そして容姿や体型が似た者同士、という所でお互い毛嫌いしていたみたいよ」
「成程ねえ…
(ん?何、ハルちゃん?)」
(今回の吸血奇術師の挑戦状にあった、人物A、つまり復讐者って、その城田結って人じゃないですか?
そして復讐される相手Bは、多野たえ子さん…
つまり、城田さんをマークさえしておけば、事件も未然に防げるんじゃ…)