♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~③
「君の方がふさわしい、と、かるた大会の出場権利を月山さんに譲ったという事は、それ以前は、谷本さん自身が大会で頑張ろうと思っていたという事だと思います。
そうなると、かるた部に入部したのも、城田さんの仇を取る為ではなく、亡くなった彼女が果たせなかった大会出場を、代わりに自分が果たそうとしていたんじゃあないでしょうか?
それが喫茶UNICOで、月山さんとたえ子さんの密会現場に谷本さんが出くわした際、谷本さんの中で復讐を決意させる何かがそこで起こったのかも…」
「それこそ、月山さんとたえ子さんが、従姉妹だって知ってしまったからじゃあないの?
出場権利を譲った相手が、実は仇の従妹だった。
よし、それならその偶然を利用して城田さんの仇をとってやろうか、ってね」
「それはそれで、今思えば少し変な感じがするんです」
「何が?
…あのさあハルちゃん。何かこう、物事を複雑に考え過ぎじゃあないかな。
もっとシンプルに考えないと、どんどん思考の袋小路に入って行っちゃうよ?」
「じゃあ礼士先輩。お伺いしますが、月山さんが出場停止にされて得する人って、今回いますか?」
「そりゃあもちろん、復讐しようとたくらんでいる谷本…」
「でも、谷本さん自身も月山さんの大会出場を、たえ子さんと同じく望んでいる一人でしょ?」
「まあ、そうだけれど…」
「だったら復讐するにしても、月山さんに迷惑をかけずに、たえ子さんに復讐出来る方がずっといいと思うんですよ。
連帯責任になぞらえて…なんてしなくても、いくらでも復讐のやりようはあるかと思います。
だから、なぜ今のタイミングで復讐しようと思ったのかが謎に思えて…」
「…なるほど、ハルちゃんの考えはそうだという事は頭に入れておくけれど、とにかく谷本亮が、今回の事件を引き起こそうとしているのは間違いない話だ。
…今日はこれまでにしよう。
僕は引き続き、今回の事件のヒントとなる例の本を探してみるよ。
無ければ、お金がかかるけれどネット注文でもしてみるよ。
何せ、今回起ころうとしている事件を正しい結末に誘導する手立てが、まだ見つかってはいないからね」
「…そうですね。私も色々と考えすぎかも知れませんね。
じゃあ、私は私で、その第三の結末に近づけるための手がかりを追ってみます」
こうして、二人の今日の探索は終わった。
そうなると、かるた部に入部したのも、城田さんの仇を取る為ではなく、亡くなった彼女が果たせなかった大会出場を、代わりに自分が果たそうとしていたんじゃあないでしょうか?
それが喫茶UNICOで、月山さんとたえ子さんの密会現場に谷本さんが出くわした際、谷本さんの中で復讐を決意させる何かがそこで起こったのかも…」
「それこそ、月山さんとたえ子さんが、従姉妹だって知ってしまったからじゃあないの?
出場権利を譲った相手が、実は仇の従妹だった。
よし、それならその偶然を利用して城田さんの仇をとってやろうか、ってね」
「それはそれで、今思えば少し変な感じがするんです」
「何が?
…あのさあハルちゃん。何かこう、物事を複雑に考え過ぎじゃあないかな。
もっとシンプルに考えないと、どんどん思考の袋小路に入って行っちゃうよ?」
「じゃあ礼士先輩。お伺いしますが、月山さんが出場停止にされて得する人って、今回いますか?」
「そりゃあもちろん、復讐しようとたくらんでいる谷本…」
「でも、谷本さん自身も月山さんの大会出場を、たえ子さんと同じく望んでいる一人でしょ?」
「まあ、そうだけれど…」
「だったら復讐するにしても、月山さんに迷惑をかけずに、たえ子さんに復讐出来る方がずっといいと思うんですよ。
連帯責任になぞらえて…なんてしなくても、いくらでも復讐のやりようはあるかと思います。
だから、なぜ今のタイミングで復讐しようと思ったのかが謎に思えて…」
「…なるほど、ハルちゃんの考えはそうだという事は頭に入れておくけれど、とにかく谷本亮が、今回の事件を引き起こそうとしているのは間違いない話だ。
…今日はこれまでにしよう。
僕は引き続き、今回の事件のヒントとなる例の本を探してみるよ。
無ければ、お金がかかるけれどネット注文でもしてみるよ。
何せ、今回起ころうとしている事件を正しい結末に誘導する手立てが、まだ見つかってはいないからね」
「…そうですね。私も色々と考えすぎかも知れませんね。
じゃあ、私は私で、その第三の結末に近づけるための手がかりを追ってみます」
こうして、二人の今日の探索は終わった。