♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~③
…自分が憧れていた人、城田さんとそう言った所が似ていたからじゃあないでしょうか。
ほら、以前に礼士先輩にお話した事がありましたよね。
元々、谷本さんって、いつもピリピリしていて、大会出場権利を賭けたかるた勝負だって、谷本さんの方から月山さんに仕掛けてきたって月山さんが言っていたって」
「そう言えば、そうだったね」
「でも、そんな谷本さんが、月山さんに今大会は出場して欲しいと、月山さんとのかるた勝負に勝ったにも関わらず、そのかるた大会出場権利を譲った。
きっと、亡くなった城田さんも、心の底からかるたが好きな人で、大会に出場するには、彼女の面影を持った月山さんの方がふさわしいと思ったんではないでしょうか。
そして、一緒になって大会に向けて月山さんと練習している内に、月山さんを、心から大切に想うようになっていった。
…でも、去年の十二月一日、喫茶UNICOでたえ子さんと月山さんの密会現場に出くわした谷本さんが知った、驚愕の事実…」
「可愛い、そして心の底から応援したいって思っていた人が、愛しい人の仇の従妹だった…」
「違うんです!それも、とても衝撃的な事実だったと思います。
でも、もしも、もしもこれこそが、谷本さんの本当の復讐理由だとすれば…
これと同じ内容だとすれば…
…二人が従姉妹だったなんて事実は、もう、本当にどうでもいい話なんです!」
そう言って春子は、自分自身が礼士のパソコンで検索した内容を、少し震え気味に指差し、顔をこわばらせながら礼士にその内容を読ませた。
「これは…PG奇術団の話ではないね。
うん?
悠々奇術団のKは…
…そんな、そんな事が…」
「可愛いより、愛しいという気持ちの方が、勝ってしまった。
谷本さんのその時の怒りは、想像しようにもしきれないでしょうね」
しばらくの間、奇術同好会の室内は、ひどく重苦しい空気に包まれていたが、そんな中、ふと礼士が口を開いた。
「…ハルちゃん。君の推理は、当たってるかもしれない。
でも、肝心の、ゴールテープを切る手立ては、まだ分かりそうにないかい?」
「…絶対に、切って見せるわ!そうでないと、谷本さん…いや、城田さんの名誉が…」
そこまで言うと、春子は何かを思い出したかのようにハッとした。
「ど、どうしたのハルちゃん?」
ほら、以前に礼士先輩にお話した事がありましたよね。
元々、谷本さんって、いつもピリピリしていて、大会出場権利を賭けたかるた勝負だって、谷本さんの方から月山さんに仕掛けてきたって月山さんが言っていたって」
「そう言えば、そうだったね」
「でも、そんな谷本さんが、月山さんに今大会は出場して欲しいと、月山さんとのかるた勝負に勝ったにも関わらず、そのかるた大会出場権利を譲った。
きっと、亡くなった城田さんも、心の底からかるたが好きな人で、大会に出場するには、彼女の面影を持った月山さんの方がふさわしいと思ったんではないでしょうか。
そして、一緒になって大会に向けて月山さんと練習している内に、月山さんを、心から大切に想うようになっていった。
…でも、去年の十二月一日、喫茶UNICOでたえ子さんと月山さんの密会現場に出くわした谷本さんが知った、驚愕の事実…」
「可愛い、そして心の底から応援したいって思っていた人が、愛しい人の仇の従妹だった…」
「違うんです!それも、とても衝撃的な事実だったと思います。
でも、もしも、もしもこれこそが、谷本さんの本当の復讐理由だとすれば…
これと同じ内容だとすれば…
…二人が従姉妹だったなんて事実は、もう、本当にどうでもいい話なんです!」
そう言って春子は、自分自身が礼士のパソコンで検索した内容を、少し震え気味に指差し、顔をこわばらせながら礼士にその内容を読ませた。
「これは…PG奇術団の話ではないね。
うん?
悠々奇術団のKは…
…そんな、そんな事が…」
「可愛いより、愛しいという気持ちの方が、勝ってしまった。
谷本さんのその時の怒りは、想像しようにもしきれないでしょうね」
しばらくの間、奇術同好会の室内は、ひどく重苦しい空気に包まれていたが、そんな中、ふと礼士が口を開いた。
「…ハルちゃん。君の推理は、当たってるかもしれない。
でも、肝心の、ゴールテープを切る手立ては、まだ分かりそうにないかい?」
「…絶対に、切って見せるわ!そうでないと、谷本さん…いや、城田さんの名誉が…」
そこまで言うと、春子は何かを思い出したかのようにハッとした。
「ど、どうしたのハルちゃん?」