♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~③
「う〜ん、どこだろう?」
「文章を目の前にせずに、答えるのは難しいと思ったので今、この文章をスマートフォンのカメラで撮影し、礼士先輩にメールでその写真を送りました。
見ていただけますか?」
程無くして、礼士のスマートフォンに春子がまとめた文章が送られてきた。
それを読んだ礼士。しかし礼士は、これが?といった返答をしてきたので、春子はその文章に対する違和感の解説を入れた。
「それは、一つ目の文章…
谷本さんが、明日を事件を起こす決行日にしたという事です。
…所で、明日って一体、何がある日ですか?」
「そりゃあまあ、この文章にある通り、全学年集会で持ち物検査が行われる日じゃあないか。
だから、その日に谷本君は事件を起こす決行日に…」
「そうです。だから、明日に決行日を設定したというのは、一見自然な事のように思えてしまうかもしれませんが、実は、復讐をするには一番不自然な日なんです。
連帯責任になぞらえて事を起こすのであれば、月山さんが大会に出場するまでなら、いつでも良かった。
全学年集会なんてイベントのある日ではなく、むしろごく普通の日に行うべきなんですよ」
う〜ん、といううなり声が、スマートフォンから聞こえてきたのを受けて、春子は更に、自分が言った内容をより分かりやすく言った。
「要は、犯人が行うトリックの技法ばかり目がいってしまうと、この事が不自然に思えないだけであって、起きようとしている事柄だけに注目して普通に考えれば良いんですよ。
明日、持ち物検査が行われるって分かっていて、何故わざわざタバコを持っていく人がいるんですか?
持ち物からタバコが発見される演出が欲しいなら、持ち物検査を行っていない普通の日に、偶然先生に見つかってしまった、っていう具合に事を運ぶ方が自然な感じがしませんか?」
「あっ…」
「更に、今回の不自然な感じを思わせる、谷本さんの復讐について。
礼士先輩も以前おっしゃってたように、復讐と、月山さんのかるた大会出場は、同時には成り立たないという事。
確かにそうなんです。でも、どうもそれを実現しようとしているみたいなんですね。
その事は、かるた部の部室内で、谷本さんと月山さんが二人きりになった時にしていた会話からも、まんざらうそっぽい話ではないと感じていただけると思うんです」
春子は、明日起きようとしている事件について、熱っぽく語っていたが、まだこの時は、この事件に関しての核心にまで完全に迫りきれてはいなかった。
しかし、とうとうその核心にたどり着く瞬間が訪れる出来事が起こった。
何気ない、春子の話に対しての、礼士の感想…
「文章を目の前にせずに、答えるのは難しいと思ったので今、この文章をスマートフォンのカメラで撮影し、礼士先輩にメールでその写真を送りました。
見ていただけますか?」
程無くして、礼士のスマートフォンに春子がまとめた文章が送られてきた。
それを読んだ礼士。しかし礼士は、これが?といった返答をしてきたので、春子はその文章に対する違和感の解説を入れた。
「それは、一つ目の文章…
谷本さんが、明日を事件を起こす決行日にしたという事です。
…所で、明日って一体、何がある日ですか?」
「そりゃあまあ、この文章にある通り、全学年集会で持ち物検査が行われる日じゃあないか。
だから、その日に谷本君は事件を起こす決行日に…」
「そうです。だから、明日に決行日を設定したというのは、一見自然な事のように思えてしまうかもしれませんが、実は、復讐をするには一番不自然な日なんです。
連帯責任になぞらえて事を起こすのであれば、月山さんが大会に出場するまでなら、いつでも良かった。
全学年集会なんてイベントのある日ではなく、むしろごく普通の日に行うべきなんですよ」
う〜ん、といううなり声が、スマートフォンから聞こえてきたのを受けて、春子は更に、自分が言った内容をより分かりやすく言った。
「要は、犯人が行うトリックの技法ばかり目がいってしまうと、この事が不自然に思えないだけであって、起きようとしている事柄だけに注目して普通に考えれば良いんですよ。
明日、持ち物検査が行われるって分かっていて、何故わざわざタバコを持っていく人がいるんですか?
持ち物からタバコが発見される演出が欲しいなら、持ち物検査を行っていない普通の日に、偶然先生に見つかってしまった、っていう具合に事を運ぶ方が自然な感じがしませんか?」
「あっ…」
「更に、今回の不自然な感じを思わせる、谷本さんの復讐について。
礼士先輩も以前おっしゃってたように、復讐と、月山さんのかるた大会出場は、同時には成り立たないという事。
確かにそうなんです。でも、どうもそれを実現しようとしているみたいなんですね。
その事は、かるた部の部室内で、谷本さんと月山さんが二人きりになった時にしていた会話からも、まんざらうそっぽい話ではないと感じていただけると思うんです」
春子は、明日起きようとしている事件について、熱っぽく語っていたが、まだこの時は、この事件に関しての核心にまで完全に迫りきれてはいなかった。
しかし、とうとうその核心にたどり着く瞬間が訪れる出来事が起こった。
何気ない、春子の話に対しての、礼士の感想…