♀乙女座と吸血奇術師♂~ヴァルゴトマジカルヴァンパイア~③
「こ、この子が君の…」
「徳田先生。このビデオカメラに収められた映像を、よ〜く見てください。
…人は時には、失敗して他人に迷惑をかけてしまう。
それは僕にだって分かります。でも、これが人として時に犯してしまう失敗なのかどうかを判断して欲しいんです…」
「う…うむ…」
そう言って亮は、ビデオカメラの電源を入れ、再生ボタンを押そうとした時、
「だ、駄目よそんなの!」
突然たえ子はそう騒ぎ、亮の手からビデオカメラを奪い取ろうとした。
しかし、亮はそのビデオカメラを奪い取ろうと伸ばしたたえ子の右手首を押さえ、ぶるぶる震えながらたえ子に向かって叫んだ。
「冗談じゃない、奪い取られてたまるか!
…お前も、一緒に見るんだよ。
この時のお前の顔を、よく見るんだ!」
そして亮、徳田先生、たえ子が見守る中、そのビデオカメラは再生された。
そこに映っていた物。それは十二月一日の日付で、喫茶UNICOで多野たえ子がほくそ笑みながら、最悪な独り言を語っている様子だった。
どうやら、美加の姿がない事から、たまたま席を外していたか先に帰ったのだろう。
そしてその、たえ子の最悪な独り言…
ーうっかり見つかっちゃった、ですって?
このタイミングで、うっかりなんて、あるわけないじゃない。
わざとよ、わざとに決まってんじゃない!
城田の奴がムカつくから、連帯責任利用して、出場停止にしてやったのよ、あははっ!
…でも、今思えば、損しちゃったなあ、まさか、アイツ死んじゃうなんてね。
これだったら、わざわざ仕組まなくったって、私に大会の出場権利が転がってきてたって事でしょう?
自ら徳田先生が来そうなルート調べて、喫煙するなんて面倒な事しなくたって良かったんじゃない。
あ〜あ、大会、出たかったなあ…ー
「多野…お、お前…」
唖然とする徳田先生。
「う、嘘嘘、こんなの嘘!
先生!信じちゃ…
ギャッ!」
不意にたえ子の髪の毛を思いっきり引っ張って、自分の顔の近くにたえ子の顔を持ってきた亮。
恐ろしい形相で、迫力のある声で、たえ子に亮は言った。
「どこまで卑怯な奴なんだ、お前は!
嘘なものか!これが正真正銘、混じりっ気なしの純粋なお前の真の姿だろうが!
大会に出場したかった、だと?
…お、お、お前なんかに…結ねえが目指した聖地を踏む資格なんてねえよっ!
お前のせいで、何もしていないかるた部のみんな、そして結ねえの名誉が汚されたんだ!
彼女達の気持ちを救うには、あれが連帯責任じゃなかったって、ここにいるみんなに分かってもらうしかないんだ!
潔く、お前の罪を認めろっ!」
亮はそう言い切ると、たえ子の髪の毛をつかんだ手を緩めて、たえ子を解放した。
わあああっ、と、体育館の床に崩れ落ちるたえ子。
しいん…と、静まり返る生徒達。
「…ねえ、先生。一体、連帯責任って、何なんですか?
こんな卑怯な奴に、いとも簡単に利用されて、一人の人間を不幸に陥れて、そしてその子は命まで落として…
…なあ、答えてくれよ。
連帯責任って一体、何なんだ?
…何なんだ?何なんだ、何なんだって言ってんじゃんかよ!
答えてくれよ先生ぇ〜っ‼︎」
「や、やめろ谷本!」
「た、谷本の奴を止めろ!」
先程の静けさから一転、徳田先生の胸ぐらをつかんで暴れ出した亮を周りが止めようと、にわかに慌ただしくなった。
「た、谷本さんっ!」
春子も、その様子を見て反射的に亮を押さえに行こうとしたが、誰かに左腕をつかまれ静止させられた。
春子が振り向くと、そこには無表情のヴァンパイア礼士が立っていた。
「…止めとけ」
「何言ってんのよアンタは!
早く止めないと…」
「部外者は、出て行くんじゃあない。
今出しゃばってもいいのは…」
「徳田先生。このビデオカメラに収められた映像を、よ〜く見てください。
…人は時には、失敗して他人に迷惑をかけてしまう。
それは僕にだって分かります。でも、これが人として時に犯してしまう失敗なのかどうかを判断して欲しいんです…」
「う…うむ…」
そう言って亮は、ビデオカメラの電源を入れ、再生ボタンを押そうとした時、
「だ、駄目よそんなの!」
突然たえ子はそう騒ぎ、亮の手からビデオカメラを奪い取ろうとした。
しかし、亮はそのビデオカメラを奪い取ろうと伸ばしたたえ子の右手首を押さえ、ぶるぶる震えながらたえ子に向かって叫んだ。
「冗談じゃない、奪い取られてたまるか!
…お前も、一緒に見るんだよ。
この時のお前の顔を、よく見るんだ!」
そして亮、徳田先生、たえ子が見守る中、そのビデオカメラは再生された。
そこに映っていた物。それは十二月一日の日付で、喫茶UNICOで多野たえ子がほくそ笑みながら、最悪な独り言を語っている様子だった。
どうやら、美加の姿がない事から、たまたま席を外していたか先に帰ったのだろう。
そしてその、たえ子の最悪な独り言…
ーうっかり見つかっちゃった、ですって?
このタイミングで、うっかりなんて、あるわけないじゃない。
わざとよ、わざとに決まってんじゃない!
城田の奴がムカつくから、連帯責任利用して、出場停止にしてやったのよ、あははっ!
…でも、今思えば、損しちゃったなあ、まさか、アイツ死んじゃうなんてね。
これだったら、わざわざ仕組まなくったって、私に大会の出場権利が転がってきてたって事でしょう?
自ら徳田先生が来そうなルート調べて、喫煙するなんて面倒な事しなくたって良かったんじゃない。
あ〜あ、大会、出たかったなあ…ー
「多野…お、お前…」
唖然とする徳田先生。
「う、嘘嘘、こんなの嘘!
先生!信じちゃ…
ギャッ!」
不意にたえ子の髪の毛を思いっきり引っ張って、自分の顔の近くにたえ子の顔を持ってきた亮。
恐ろしい形相で、迫力のある声で、たえ子に亮は言った。
「どこまで卑怯な奴なんだ、お前は!
嘘なものか!これが正真正銘、混じりっ気なしの純粋なお前の真の姿だろうが!
大会に出場したかった、だと?
…お、お、お前なんかに…結ねえが目指した聖地を踏む資格なんてねえよっ!
お前のせいで、何もしていないかるた部のみんな、そして結ねえの名誉が汚されたんだ!
彼女達の気持ちを救うには、あれが連帯責任じゃなかったって、ここにいるみんなに分かってもらうしかないんだ!
潔く、お前の罪を認めろっ!」
亮はそう言い切ると、たえ子の髪の毛をつかんだ手を緩めて、たえ子を解放した。
わあああっ、と、体育館の床に崩れ落ちるたえ子。
しいん…と、静まり返る生徒達。
「…ねえ、先生。一体、連帯責任って、何なんですか?
こんな卑怯な奴に、いとも簡単に利用されて、一人の人間を不幸に陥れて、そしてその子は命まで落として…
…なあ、答えてくれよ。
連帯責任って一体、何なんだ?
…何なんだ?何なんだ、何なんだって言ってんじゃんかよ!
答えてくれよ先生ぇ〜っ‼︎」
「や、やめろ谷本!」
「た、谷本の奴を止めろ!」
先程の静けさから一転、徳田先生の胸ぐらをつかんで暴れ出した亮を周りが止めようと、にわかに慌ただしくなった。
「た、谷本さんっ!」
春子も、その様子を見て反射的に亮を押さえに行こうとしたが、誰かに左腕をつかまれ静止させられた。
春子が振り向くと、そこには無表情のヴァンパイア礼士が立っていた。
「…止めとけ」
「何言ってんのよアンタは!
早く止めないと…」
「部外者は、出て行くんじゃあない。
今出しゃばってもいいのは…」