囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
「あの公園…走ってて気持ち良いですよね。
季節の花もあって…芝生に昼寝なんてサイコーです」

「…昼寝、してるの?一人で?」

瑛二先輩は、私の方を見て眉をひそめた。

私、なんか失言したかな?

「一人ですよ?……っ、痛い!」

ぎゅうぅ…と、鼻をつままれる。

「っな、なにふるんでふか!」

「昼寝禁止。無防備すぎる。
知らない奴に、どっか連れて行かれたらどうすんだ?」

あ、心配してくれてるんだ。

「大丈夫ですよ?我が家は、至って普通の家なんで、狙われないから」

「……ったく、そういうんじゃなくてっ、はあぁ…」

大きなため息を吐いた。

「………?」

そんなことを話しながら、車は進んでいき、見慣れた景色が現れる。

「瑛二先輩、ありがとう。もう大丈夫です」

「いや…もう遅いし、家の前まで送るから」

そう言って、車をマンションの前で止めた。

「…ありがとう」

瑛二先輩の車から降り、三階の部屋へ階段を上がっていく。

車の外へ出て、私が部屋へ入るのを見届けてくれてる。心配性なとこ、変わってないな。

部屋に入る時に、小さく手を振る。

それに応えるように、瑛二先輩が、右手を軽く挙げた。











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