囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP

ポン…



ワナワナと怒りで震える私の肩に手を置いたのは、編集部の2年先輩の永岡さんだ。


「手…出してみ」


そう言って、手の平にくれたのは『ストレスに打ち勝つ』という丸いチョコだ。


「青山、あの編集長と話しても、時間の無駄だ。
次の企画を出そう」


「……っ!」

まだ怒りが収まらない私は、キッ!と、永岡さんを睨む。

それに…と、永岡さんが声を落とす。

「来月になれば、田口編集長と入れ替わりに、新しい編集長が就任するって噂だ。
田口編集長には、次の赴任先の事しか頭にないんだろうな」

と苦笑する。

「誰が編集長になろうと、同じじゃないですかね?」

不貞腐れたように、つぶやく。



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