囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
「それがさ、営業成績が振るわなかった福岡支社を、わずか一年でトップ3にしたらい」


「期待していいんですかね?」

フゥーーッと、息を吐く。


「かなり…な?」

永岡さんは、再び、パソコンの画面に視線を走らせた。

「その企画書、破棄するなよ?」

と付け加える。


「もちろん。次の編集長に期待しろ…ですよね?」

と返すと、永岡さんは、右親指をグイッと立てて、ニヤリと笑った。


「青山の渾身の企画…そう易々とボツにされてたまるか」

永岡さんは、この企画書を仕上げるために、私が何度も壁にぶち当たっては、仕切り直し、練りに練った渾身の企画書だと知っている。


「永岡さん…」

感動して、永岡さんを見つめていると、

「俺に惚れるなよ?」

にぃーっと、嬉しそうに口角を上げた。

「惚れません!」










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