囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
バッグから、ボツになった企画書を出し眺める。

ここだと思う場所をピックアップして、デジカメで撮った。当たり前だけど、荻野 晴の撮った写真の足元にも及ばない。


「荻野 晴に撮ってほしいな…」


一人ぼっちの部屋でつぶやいた。



ぐうぅ〜


感傷的な気分で惚けていたけど、起きてからほとんど何も口にしていない事に気付く。


「買い物…行かなきゃ」

今週は、一度もスーパーへ寄っていないから、冷蔵庫の中も、空っぽだ。


ガシッとエコバッグを手に、自転車置き場へ向かい、真っ赤な自転車にまたがる。


緩い下り坂を、自転車で颯爽と駆け抜ける。川沿いの桜並木が近付いた所で自転車から降りた。

桜が満開のこの時期は、お花見に訪れる人も多い。

人にぶつかったら大変だ。

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