囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
片付けよう。

パソコンの電源を落とす。デスク周りの書類をファイルに入れて、引き出しにしまった。


コツ…


「業務終了か?」


ビクッ!

「ひゃいっ!」

誰もいないと思ってたのに、突然人の声がして、思いっきり動揺する。

『はい』と返事するつもりが、『ひゃい』になっちゃったし!

ビビりながら振り返ると、編集部の入り口付近に、気まずそうな岬編集長が立っていた。

「悪い、驚かせた」

「いえ、大丈夫です。心臓…動いてますから」

あービックリした。まだバクバクしてるよ。

「………」

編集部が静まり返る。

岬編集長、無言にならないでよ。気まずいよ。




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