囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
岬編集長は、永岡さんの席に座り、コーヒーを飲む。

「何を作ってた?見てもいい?」

さっきまで見直していた企画書に視線が注がれる。

プリントアウトしたばかりの企画書は、まだ温かい。

「企画書なんです。オススメ旅コーナーで、特集に出来たらと思って…」

宝物を渡すような気持ちで、岬編集長に、そっと差し出す。


パラ…パラ…


私たちの他に誰もいない編集部に、岬編集長がページをめくる音だけが時々響く。


パラ…


「初夏の特集号、見開きで6ページやる。いいんじゃないか?」

「……っ!本当ですか⁉︎ 」

ガタッ!

喜びのあまり、思わず椅子から立ち上がる。

「ああ。荻野 晴のスケジュール、押さえないとな?」






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