囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
「やった…嬉しい」

じわり…胸の奥から、熱いものが込み上げた。

「明朝、荻野君の事務所に確認します。公園の管理所にも許可取らないと…ありがとうございます」

最後の方は、声になってなかったかもしれない。


パタパタと片付けを再開し、

「岬編集長、お先に失礼します」

空の紙パックを持って、編集部を後にした。


パタン…と、編集部の扉を閉め、


「やったーー!」


薄暗い廊下を、スキップしながら退社した。


編集部の扉が薄く、廊下の声や物音が聞こえてしまうことなんて、私の頭から抜けていた。

編集部に一人残された岬 颯馬が、爆笑していたなんて、夢にも思わなかった。

「青山 結衣か。猪みたいな子だな」

主のいなくなった結衣のデスクを眺めながら、岬 颯馬はクスッと笑った。




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