囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
「あー、顔出しNGなんで、SNSとかで暴露しないでくださいね?」

荻野君が、にっこり笑って琴子さんを見る。

ズキン…

胸が苦しい。

「あの…今日は、お惣菜の他にお願いがあって来ました」

言いながら、カウンターに名刺を置く。

「山陽出版で、SOLEILという情報誌の編集をしています。初夏号で、kitchen コトコトさんと、お弁当を紹介させてください」

ガバッと頭を下げる。なぜか荻野君も一緒に頭を下げてくれた。

「えっ…うちの店を?いいんですか?……て、頭を上げてくださいよ」

涼子さんが、慌てて私たちに駆け寄る。

「まだ案の段階だから、必ずではないんですけど、石神井公園近くの『美味しいお惣菜屋さん』として、ぜひ、お弁当と一緒に紹介させていただきたい」

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