囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
しばらく、木の廊下を歩き、奥の部屋に通される。

掘りごたつになってる!

良かった…こういう店だから、畳に正座かなって、少し心配になってたんだ。

正座は苦手。高校生の時に、御茶菓子に釣られて茶道部に仮入部したことがあるけど、とにかくジッと座ってる事が無理で、とくに正座が苦手だった。

仮入部二日目でリタイアした苦い経験がある。

どうぞ…と、お茶が出され、岬編集長とテーブルを挟んで向かい合う。

「クスッ…掘りごたつで良かったな。青山、すごくホッとした顔してる」

岬編集長が、笑うのを堪えてるのか、少し肩を揺らして私に言う。

「バレました?私、正座がすごく苦手で、高校生の時に、茶道部を二日目でリタイアしたんです」

そう言って、高校生の時の黒歴史を暴露した。

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