囚われた瞳【琴子さんanother story】番外編2UP
「そんなの、全然気にしないよ。フットサル帰りに、泥だらけで乗ったりしてるし」

「そうなの?じゃ、遠慮なく。おじゃまします」

運転席に、瑛二先輩が乗り込み、

「石神井公園(じゃくじいこうえん)の近くだったよね?」

街灯の薄明かりの中、瑛二先輩が笑顔を向けてくる。

「へへへ…あの部屋に住み着いちゃってます。
それに、最近は公園へジョギングしに行ってますよ」

「そうなんだ?俺らの大学の教会も近かいし、いい所だよな。俺もよくジョギングしに行くよ。すれ違ってたかもな?」

そう言って、顔をくしゃくしゃにして笑った。


あー、そうだった。こうやって本当に楽しそうに笑う人だったんだ。






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