青春はやってこない
髪を高く一つでまとめ、制服の上から黒のエプロンをつける。

「いらっしゃいませー」

夕方も駅前のこの店は何気に混む。

「杏奈ちゃん、遅くなってごめん!
谷崎 蒼太 只今参上!」

そう言ってあたしの前に現れたのはバイトの先輩で、大学生の蒼太さん。

「いえ、すみません毎日手伝ってもらっちゃって…」

小さなこの店のウエイトレスはあたしと蒼太さんの2人のみだから、ちょうど混むこの時間帯は蒼太さんが手伝ってくれる。

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