青春はやってこない
「…ただいま」

シンと静まり返るマンションの部屋ほど、悲しいものはない。

何度、この孤独に涙を流したことだろう。

幼いあたしには広すぎたこの部屋も、今となっては狭くさえ感じる。

中央のテーブルには一人分の夕ご飯と、ママからの『 今日のことよっちゃんに聞いたよ。大丈夫?ママ帰りにクスリとか買ってくるね。』という置き手紙。

「…ありがとう、ママ…」

夕飯に手を伸ばせなかったあたしは、そのままベッドに倒れ込むようにして深い眠りについた。


『 杏奈ちゃんってあの舜の彼女でしょ?』

『 舜くんってヤンキーのリーダーか何かなんだってね~』

『 ごめん、怖いから、もう杏奈とは一緒にいられないや。』



『 お前を縛って一生閉じ込めておきたいくらいだけどね』



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