虹色ファインダー
夜遅くに両親は帰って来る。
そして始まる冷たい戦争。
何かにつけてヒステリックに叫ぶママ。
浮気疑惑のあるパパ。
両親の仲は完全に冷え切っている。
『私』と『体裁』というしがらみがなければ、とっくに離婚してるだろう。
ピリピリした空気の中、飲み物を取りに二人の側を横切る。
「綾香!勉強してるの?また成績が落ちたら塾に行かせるわよ!」
「分かってる」
私は小さく溜息をつく。
とばっちりは勘弁してほしい。