虹色ファインダー

「人の放つ光に、俺は凄く惹かれてしまうんだよな」


私はまだそんなに他人に惹かれたことなんて無い。

彼氏も居ない。
友達は居るけど、掛け替えがないなんて思ったことない。

親ですら私は汚いと思ってる。罵り合い、疎み合う夫婦なんて馬鹿げてる。

だけど本当は、そんな風にしか人を見れない自分が一番汚いと思うんだ。


「どうやったら好きになれる?」


鈴が鳴るほどの小さな声で私は聞いた。

それに対して奏次郎は少し目を細めて呟く。


「とりあえず、力抜け」
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