虹色ファインダー
「へぇ、写真部なの。気が合うじゃねぇか」
「は?おじさんも写真部だったの?」
「おじさんじゃねぇ、このガキ」
ガキじゃねぇ、このジジィ。
男は傍らに転がっていた大きな鞄をどかし、その側にあったケースのようなものを持ち上げた。
その中から取り出されたのは、綺麗だけどよく使い込まれた重たそうなカメラ。
おっきな一眼レフ。
よく磨かれたレンズは、きっとあたしには手の届かないようなものだ。
「俺は部活じゃねぇけど、一応本職」
本職?てことはプロ?
ただの浮浪者じゃなかったんだ。
それよりなんでプロの写真家がこんな所に転がってるんだろ。