虹色ファインダー
・虹色
私は少し困惑した表情を浮かべる両親の手を引いた。
あったかい。
手を引くことすら、あまりにも久しぶりすぎて。
もっと早く触れておけば良かったと少しだけ悔いた。
二人を連れて再びバルコニーに出ると、ママがぽつりと呟いた。
「虹ね……」
そうして虹を見上げるママの隣にパパを誘導する。
「こうして皆で眺めるのも悪くないでしょ?…最後なんだから」
語尾が震えないように細心の注意を払いながら、私は二人に呟いた。