虹色ファインダー

小さい頃はママの柔らかい腕が大好きだった。
パパの広い背中が大好きだった。

高校生になった今はもうその腕に抱きしめられることも、その背中に背負われることもないけれど。

私は虹を眺める二人の後ろ姿に向かって呟いた。


「私達まだ……家族だよね?」


二人は私を振り返り、そして少し困ったように微笑み合った。

両親が微笑み合うなんてすごく久しぶりで。

たまらなく胸が詰まって泣けてくる。


あぁ、私、ママともパパとも離れたくない。
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