恋する想いを文字にのせて…
『良ければまたお便り下さい。

貴女様の美文字は、僕の心を少しだけ潤わせてくれます。

現実逃避に似た思いを抱かせてくれる貴女様の手紙の存在を、いつも胸に抱きながら仕事に励んでいます。


僕自身の手紙が貴女様にとって同じ様な存在になれるといいなと思いますが、それは大それた願いだと思い、筆を終わらせておきます。


どうか、引かずにいて下さい。


そしてまた、文字の上でお会いできますことを待ち望んでいます。


貴女様の健康を祈って。


小野寺 漠 』




「……この人の手紙って、本物のラブレターみたい……」



文字の上での恋人。

私と小野寺さんの関係性は、言葉にするとそんな感じ。


1通でも多く、今のままの関係でいたい。

傷つくことも無いまま、自然消滅の日が来るまでーーーー。


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