恋する想いを文字にのせて…
小野寺さんとは無言のまま見つめ合った。

一瞬の隙があったら入り込もうとする眼差しから目も背けられず、同じ様に気持ちを張ったまま見つめ返した……。





「それで貴女は幸せなんですか……?」


呆れる様な声を発し、彼に抱きすくめられた。




「俺は………1人が怖いです………」



ぎゅっと力の入る腕が微かに震えた……。



「これから先何年間も…ずっと独りなのかと思うと怖くなる……。1人が気楽なんて嘘だ……。絶対に誰かが一緒に居る方がいいに決まってる……。来未さんはどうですか?ご実家に帰れば……貴女は独りでは無くなりますか?……」



潤んだ目で見入られた。

その瞳の中に溢れる力強さに、ぐらり…と気持ちが揺らぐ。



確かに1人ではなくなる。

でも、心の中はきっといつまで経っても孤独に違いない。




けれど、やはりそれは言葉にはできないーーーーー。




「私は……独りでは……あり……っ!」



口を塞がれた。


触れてきた唇が、私の体温を跳ね上げた。


「だめ…っ……離しっ……!」


駄目だ…とどんなに拒否しても、どんどん力が抜けていく。


とうとう舌まで入れられて、口の中が彼の唾液と混じった。



ガクガクと膝が震えだして、立っているのがやっとの様な状態になってようやく舌が逃げていったーーー。



「嘘はつかさない。俺は……君の全部を受け入れようと思ってここへ来た。君と一緒になって、生きていきたいと思う。共に幸せになれる方法を、見つけ出していきたい……!」



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