恋する想いを文字にのせて…
2人の家にお邪魔して、少しだけ昔話をしてから菩提寺へ向かった。
菩提寺の和尚は俺の顔を見て呆れ、「この親不孝者が!」と長い説教をたれた。
…その後、短めのお経を上げて下さった。
一緒に読経をしながら、彼女はじぃっと両親の位牌を見つめていた。
心の中で話しかけているようだった。
複雑そうな表情は、お経が終わるまで続いていた。
菩提寺からの帰り道、彼女は海へ行ってみたい…と希望した。
「きっと寒いと思うよ。大丈夫?」
「平気です。中にたくさん着てるから」
数年ぶりだという海景色を眺めに海岸線へと足を運んだ。
真っ白な羽を広げた水鳥たちが、横殴る風に乗って飛んでいる。
流線型に広がった羽は風をはらみ、まるで波の上を飛び交う魚の群れのようにも見えた。
眩しそうに空と海を仰ぎ、彼女は俺の方へ向きを変えて話した。
「今日、ここへ来れて良かったです。いろんな人から小野寺さんのことが聞けたし、お目にかかることもできないと思っていたご両親の話も伺えた。綺麗な海も眺められたし、水鳥が空を飛んでいるのも初めてマジマジと見れました……」
連れて来てくれてありがとう…と声を詰まらせた。
その肩を抱いて、「こっちこそ礼を言うよ…」と涙を浮かべた。
故郷へ帰って良かった…と言った彼女の言葉を噛み締めた。
この場所があるからこそ、俺も彼女も前に進める。
菩提寺の和尚は俺の顔を見て呆れ、「この親不孝者が!」と長い説教をたれた。
…その後、短めのお経を上げて下さった。
一緒に読経をしながら、彼女はじぃっと両親の位牌を見つめていた。
心の中で話しかけているようだった。
複雑そうな表情は、お経が終わるまで続いていた。
菩提寺からの帰り道、彼女は海へ行ってみたい…と希望した。
「きっと寒いと思うよ。大丈夫?」
「平気です。中にたくさん着てるから」
数年ぶりだという海景色を眺めに海岸線へと足を運んだ。
真っ白な羽を広げた水鳥たちが、横殴る風に乗って飛んでいる。
流線型に広がった羽は風をはらみ、まるで波の上を飛び交う魚の群れのようにも見えた。
眩しそうに空と海を仰ぎ、彼女は俺の方へ向きを変えて話した。
「今日、ここへ来れて良かったです。いろんな人から小野寺さんのことが聞けたし、お目にかかることもできないと思っていたご両親の話も伺えた。綺麗な海も眺められたし、水鳥が空を飛んでいるのも初めてマジマジと見れました……」
連れて来てくれてありがとう…と声を詰まらせた。
その肩を抱いて、「こっちこそ礼を言うよ…」と涙を浮かべた。
故郷へ帰って良かった…と言った彼女の言葉を噛み締めた。
この場所があるからこそ、俺も彼女も前に進める。