恋する想いを文字にのせて…
ーーほぼ脅迫に近いな…と考えてしまった。


小野寺さんが私のことを勘違いしたように、私も彼の人柄を違って見ていたのかもしれない。


ストーカーに近い感覚すらも覚えた。

彼にはそのつもりが無くても、私にはそんな気がしてしまう。


怖さの余り、一瞬先生に会うことなどどうでもいい…と思った。

でも、同じくらいの気持ちでやはりお会いしたい…とも思う。




小野寺さんに会ってみたい…という気持ちは、自分も一番最初の手紙を頂いた時から抱いていた。

ただ、それを言葉にしてはならない理由があり、ひたすら無視をし続けた。



……彼の方から言われるとは思ってもいなかった。

同じ気持ちでいてくれたのか…と思うと、少しだけ嬉しい気がしてくる。



…けれど、勇気が出ない。

小野寺さんに会うと、自分の人生が大きく変わってしまう様な気がして怖い。





ーー長いこと考えてしまった。

家事をしながらもお風呂に入りながらも、ずっとその事ばかり考えている。

勇気を出して踏み出せばいいのに、どうしても踏ん切りがつかない。



……それくらい大きな決断だった。

私にとっては、最大の悩みだと言っても過言ではない……。





夜中に目覚めてキッチンへと向かった。

食器棚の引き出しから取りだした昼間の手紙。

この手で引きちぎれたら会うまい…と決めた。




< 23 / 179 >

この作品をシェア

pagetop