恋する想いを文字にのせて…
………翌朝、出社してきた先輩に本を返しながら感想を述べた。


「なかなか面白い本でした。いい味があって妙に懐かしさを覚えました。読み返したくなる良さがあると言われてた通りの作品だと思います。それで、ちょっと思いついたアイデアがあるんですが、聞いてもらえますか?」


ワクワクしながら頼んでいた。

俺の話を聞く先輩も、いつしか身を乗り出している。



中年の男2人が考え出した計画は、その後セレクトブックとしてこの世に出て行くことが決まる。


けれど、その時はまだ白紙の状態で、真っ新な地図の上に駒を置いただけと同じ。


そこから始まるドラマなど、俺はまだ何も知らずに話し込んでいたんだーーー。



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