恋する想いを文字にのせて…
『ところが先日、津軽先生から連絡があり、貴方宛の手紙まで入ってましたよ…と言われ、早々に送り返して頂きました。

届いた貴女様の手紙は素晴らしかった。文面が素直で優しくて、とても心がこもってる様に感じました。』


「あんなに素晴らしい手紙を受け取ったのは久しぶりです。もしかしたら、学生時代のラブレター以来かもしれません……」


文字を声に出して読み、一人で赤面してしまった。

一編集者の方から絶賛された手紙の内容など、ほぼ記憶に残ってなかったから。


「この編集者の人、幾ら何でも褒め過ぎよぉ〜!私はそこまでいい文章は書いてないもん……」


ただ、どうしてもこの感動を伝えたい…と願った。

私の大事な青春時代を潤わせてくれた漫画家、津軽 芽衣子の作品にまた出会えたからーーー。




始まりは、週末の買い出しに出かけた日のこと。


待ち合わせの本屋さんで、ブラブラしながらいろんな本のコーナーを立ち読みして回ってた。

話題の作品やマイナー作品まで、数多くの本が並ぶ中見つけた分厚いセレクトブック。

背表紙に書かれた作者名に、思わず目を疑った。


(津軽 芽衣子……!まさか、あの津軽先生のマンガ………⁉︎ )



引き寄せられる様に近づいて手にした。

表には懐かしい漫画家さんの絵。

両手で麦わら帽子を持った三つ編みの女の子が斜め45度で立ってるイラスト。

パフスリーブの半袖、チェックのワンピース。

セピア色に染まった様な画風の雰囲気が昔とちっとも変わらなくて。


< 3 / 179 >

この作品をシェア

pagetop