恋する想いを文字にのせて…
文面を目で追いながら、この女性は一体何歳なのだろうか…と考えた。
丁寧すぎる文章を書く時点で、20代ではない気がする。
落ち着き払ったような雰囲気が漂うところから察するに、30代は確実と見てもいいだろう。
津軽芽衣子の作品を学生時代に読んでいるとして、若干自分よりも年下になるのかもしれない。
どんな顔をしているのだろうか。
どんな声で話すのだろう。
手紙からは人柄が分かる程度で、後のことは確かめようがない。
この女性が未婚なのか主婦なのかすらも、一切何も書かれてないのだ。
「……奥様は何歳でしたか?」
彼女から手紙が届いた翌日、編集長である先輩に尋ねた。
「俺の妻か?42だけど?」
「あ…そうか、先輩と同い年でしたね…」
大学時代の同級生と結婚されてたんだった。
それを思い出して、成る程…と頷いた。
「妻の年齢なんか気にしてどうした?何かあるのか?」
「いえ、単純に津軽先生の読者層が知りたかっただけです。先輩の奥様は何歳の頃に先生の本を読まれていたのかな…と思って」
「そうだなぁ…あいつはかなり初期の頃から大ファンだったそうだぞ。お前が作ったセレクトブックの中に初掲載された漫画ですら知ってたくらいだからなぁ…」
「えっ!あの同人誌時代の短編漫画ですか⁉︎ …相当前のだと先生ご自身も話されてましたよ!」
丁寧すぎる文章を書く時点で、20代ではない気がする。
落ち着き払ったような雰囲気が漂うところから察するに、30代は確実と見てもいいだろう。
津軽芽衣子の作品を学生時代に読んでいるとして、若干自分よりも年下になるのかもしれない。
どんな顔をしているのだろうか。
どんな声で話すのだろう。
手紙からは人柄が分かる程度で、後のことは確かめようがない。
この女性が未婚なのか主婦なのかすらも、一切何も書かれてないのだ。
「……奥様は何歳でしたか?」
彼女から手紙が届いた翌日、編集長である先輩に尋ねた。
「俺の妻か?42だけど?」
「あ…そうか、先輩と同い年でしたね…」
大学時代の同級生と結婚されてたんだった。
それを思い出して、成る程…と頷いた。
「妻の年齢なんか気にしてどうした?何かあるのか?」
「いえ、単純に津軽先生の読者層が知りたかっただけです。先輩の奥様は何歳の頃に先生の本を読まれていたのかな…と思って」
「そうだなぁ…あいつはかなり初期の頃から大ファンだったそうだぞ。お前が作ったセレクトブックの中に初掲載された漫画ですら知ってたくらいだからなぁ…」
「えっ!あの同人誌時代の短編漫画ですか⁉︎ …相当前のだと先生ご自身も話されてましたよ!」