恋する想いを文字にのせて…
2通目はレモンイエロー
2通目の手紙は、国産レモンと同じ色だな…と思った。
八百屋の店先にそれが並ぶ季節、小野寺さんから2通目の便りが届いた。
仕事帰りにレモンを1個買ったばかりだった。
その色と同じ黄緑色の封筒を手にして、半月ほど前、小野寺さんへの感謝を文字に認めて送ったことを思い出した。
「またお返事をくれるなんて、律儀な人だなぁ……」
クスッと小さく笑った。
向こうもひょっとしたら、私から届いた手紙に同じように微笑んだかもしれない。
すぐに読みたい気持ちを抑えてテーブルの上に置いた。
前回と同じ様に日付けの変わる頃になって起きだし読み始めた。
手紙の始まりは、『こんにちは』
『初めまして』ではないその文章の始まりに、新たな関係性を感じていた。
『こんにちは。最上 来未さん』
まだたった2通目なのに、どうしていつも華やいだ気分になるのだろう。
小野寺さんの文字に独特な力強さがあるせいか、まるで声で呼ばれている様な気がする。
四角張った鉛筆文字で綴られた自分の名前が、どこか特別なもののようにも思えてくる。
期待に胸を弾ませながら文字を目で追った。
読みだした手紙の内容は、前回と同じく称賛の嵐だった。
『返事に対するお返事を賜り恐縮しております。まさか、貴女様がまたしてもお便りをして下さるとは思いもせずにいましたので、少々面喰らう場面ではありました…』
八百屋の店先にそれが並ぶ季節、小野寺さんから2通目の便りが届いた。
仕事帰りにレモンを1個買ったばかりだった。
その色と同じ黄緑色の封筒を手にして、半月ほど前、小野寺さんへの感謝を文字に認めて送ったことを思い出した。
「またお返事をくれるなんて、律儀な人だなぁ……」
クスッと小さく笑った。
向こうもひょっとしたら、私から届いた手紙に同じように微笑んだかもしれない。
すぐに読みたい気持ちを抑えてテーブルの上に置いた。
前回と同じ様に日付けの変わる頃になって起きだし読み始めた。
手紙の始まりは、『こんにちは』
『初めまして』ではないその文章の始まりに、新たな関係性を感じていた。
『こんにちは。最上 来未さん』
まだたった2通目なのに、どうしていつも華やいだ気分になるのだろう。
小野寺さんの文字に独特な力強さがあるせいか、まるで声で呼ばれている様な気がする。
四角張った鉛筆文字で綴られた自分の名前が、どこか特別なもののようにも思えてくる。
期待に胸を弾ませながら文字を目で追った。
読みだした手紙の内容は、前回と同じく称賛の嵐だった。
『返事に対するお返事を賜り恐縮しております。まさか、貴女様がまたしてもお便りをして下さるとは思いもせずにいましたので、少々面喰らう場面ではありました…』