恋する想いを文字にのせて…
「はぁー。いい空気ですねー!」
思い切り背伸びをして、小野寺さんは胸一杯に空気を吸い込んだ。
背の高いビルも見えない駅前には、まるで田舎のような風景が広がっている。
「津軽先生の家はここから歩いて30分くらいかかるんですが…。どうします?タクシーで行きますか?」
「いえ、折角だから歩きましょう!空気も新鮮だしその方が気持ちいいので」
二つ返事で答えると、小野寺さんはじゃあ…と言いながら歩き始める。
駅前の通りを渡り、眼前に見える山の方へと向かう。
道路の両脇には田畑が広がり、用水路と思われる小川には綺麗な水が流れていた。
「…素敵な場所ですね……。津軽先生の漫画の舞台そのものみたい……」
私の言葉を聞いて、前を歩いていた人は急に振り向いた。
ドキン…と胸が打ち震えて、彼の顔を見つめた。
「俺も一番最初に此処へ降り立った時、今の来未さんと同じことを思ったよ。ほら、初めて読んだ漫画のこと手紙に書いただろう?あの場所みたいだなぁ…って」
「ああ、あの先生の故郷が舞台だっていう話ですね。…そっか。こういう風景なんだ」
改めて周囲を見回した。
遠目に見える山の谷間には、根雪が白く残っていた。
「先生にしてみたら此処は第2の故郷なのかもしれないね。本当の故郷は九州らしいから、そう簡単には行けないだろうし…」
「そうですね…。故郷は特別だけど、遠くにあるからこそいい…って場合もありますから」
思い切り背伸びをして、小野寺さんは胸一杯に空気を吸い込んだ。
背の高いビルも見えない駅前には、まるで田舎のような風景が広がっている。
「津軽先生の家はここから歩いて30分くらいかかるんですが…。どうします?タクシーで行きますか?」
「いえ、折角だから歩きましょう!空気も新鮮だしその方が気持ちいいので」
二つ返事で答えると、小野寺さんはじゃあ…と言いながら歩き始める。
駅前の通りを渡り、眼前に見える山の方へと向かう。
道路の両脇には田畑が広がり、用水路と思われる小川には綺麗な水が流れていた。
「…素敵な場所ですね……。津軽先生の漫画の舞台そのものみたい……」
私の言葉を聞いて、前を歩いていた人は急に振り向いた。
ドキン…と胸が打ち震えて、彼の顔を見つめた。
「俺も一番最初に此処へ降り立った時、今の来未さんと同じことを思ったよ。ほら、初めて読んだ漫画のこと手紙に書いただろう?あの場所みたいだなぁ…って」
「ああ、あの先生の故郷が舞台だっていう話ですね。…そっか。こういう風景なんだ」
改めて周囲を見回した。
遠目に見える山の谷間には、根雪が白く残っていた。
「先生にしてみたら此処は第2の故郷なのかもしれないね。本当の故郷は九州らしいから、そう簡単には行けないだろうし…」
「そうですね…。故郷は特別だけど、遠くにあるからこそいい…って場合もありますから」