恋する想いを文字にのせて…
差し出された手を握ってもいいのかどうか迷った。
その手を見つめ続けている私に、小野寺さんが優しく声をかけてきた。
「来未さん、この手は握っても大丈夫です。何も罠はありません」
彼を餌食にすると言われていたお姉さんは、「一言多い!」とグーを出した。
それを掌で受け取り、小野寺さんは「本当のことを言ったまでです!」と言い返した。
2人の様子を唖然と見ている私に、先生がくすり…と小さな笑い声を立てた。
「クルミさんと仰るの?可愛いらしいお名前ね」
憧れ続けてきた人から名前を呼ばれ、天にも昇る様な気持ちになった。
思い出したように手を差し出すと、先生はきゅっと私の手を両手で包んだ。
「優しい手をしてらしゃるわ。あったかい…」
微笑む顔を見ていられないくらい嬉しくなって感動した。
涙が溢れそうになり、慌てて反対の手で目尻を押さえた。
「どうぞ、お上がりくださいな。貴女が来るのをずっと待ってたのよ」
パッチワークで作られた玄関マットの上に、スリッパが揃えて置いてある。
それに足を踏み入れて、私と小野寺さんは彼女たちの招く部屋へと向かった。
その手を見つめ続けている私に、小野寺さんが優しく声をかけてきた。
「来未さん、この手は握っても大丈夫です。何も罠はありません」
彼を餌食にすると言われていたお姉さんは、「一言多い!」とグーを出した。
それを掌で受け取り、小野寺さんは「本当のことを言ったまでです!」と言い返した。
2人の様子を唖然と見ている私に、先生がくすり…と小さな笑い声を立てた。
「クルミさんと仰るの?可愛いらしいお名前ね」
憧れ続けてきた人から名前を呼ばれ、天にも昇る様な気持ちになった。
思い出したように手を差し出すと、先生はきゅっと私の手を両手で包んだ。
「優しい手をしてらしゃるわ。あったかい…」
微笑む顔を見ていられないくらい嬉しくなって感動した。
涙が溢れそうになり、慌てて反対の手で目尻を押さえた。
「どうぞ、お上がりくださいな。貴女が来るのをずっと待ってたのよ」
パッチワークで作られた玄関マットの上に、スリッパが揃えて置いてある。
それに足を踏み入れて、私と小野寺さんは彼女たちの招く部屋へと向かった。