恋する想いを文字にのせて…
重苦しい雰囲気になりかかっている部屋の様子を知らない俺は、編集長である先輩からの急な頼みに困っていた。
「…はぁ⁉︎ 原稿を取りに行けー⁉︎ 」
電話口で発した大声を編集長は「耳が痛い!」と叫びながら受け止めた。
「嫌ですよ!今、俺は出先にいるのに…!」
唇を尖らせて申し出を断った。
編集長はそう言わずに…と低姿勢で食い下がってくる。
「お前が今居る場所が都合いいんだよ。そこから電車で30分程、都内に戻ればいいだけだから」
『津軽芽衣子邸』とオフィスのボードにを書いたのが失敗だった。
編集長はこの家からさほど離れていない作家の家に寄って、依頼した原稿を持ち帰るように…と言ってきたのだ。
「俺はここへ1人で来てる訳じゃないから困ります。津軽先生にその人を会わせた後、送っていかないといけないし…」
そんな義務は頼まれてもいないが、そうでも言わないと呼び戻される。
「原稿は後から社に持ち帰ってくれればいいよ。でも、先方は直ぐにでも取りに来いと喧しいんだ。お前がずっとそこになければならない理由はないだろ?だったら業務優先で頼む!」
(ちぇっ…!いつもこうなんだ…!)
仕事は嫌いではないが、思う通りいかないことが多すぎる。
それでも気を使って環境を整えてくれている編集長には、頭が上がらないのも事実だ。
仕方ねーな…と思いながらも引き受けた。
俺がいなくても、最上来未は十分に話し込めるだろう。
「…はぁ⁉︎ 原稿を取りに行けー⁉︎ 」
電話口で発した大声を編集長は「耳が痛い!」と叫びながら受け止めた。
「嫌ですよ!今、俺は出先にいるのに…!」
唇を尖らせて申し出を断った。
編集長はそう言わずに…と低姿勢で食い下がってくる。
「お前が今居る場所が都合いいんだよ。そこから電車で30分程、都内に戻ればいいだけだから」
『津軽芽衣子邸』とオフィスのボードにを書いたのが失敗だった。
編集長はこの家からさほど離れていない作家の家に寄って、依頼した原稿を持ち帰るように…と言ってきたのだ。
「俺はここへ1人で来てる訳じゃないから困ります。津軽先生にその人を会わせた後、送っていかないといけないし…」
そんな義務は頼まれてもいないが、そうでも言わないと呼び戻される。
「原稿は後から社に持ち帰ってくれればいいよ。でも、先方は直ぐにでも取りに来いと喧しいんだ。お前がずっとそこになければならない理由はないだろ?だったら業務優先で頼む!」
(ちぇっ…!いつもこうなんだ…!)
仕事は嫌いではないが、思う通りいかないことが多すぎる。
それでも気を使って環境を整えてくれている編集長には、頭が上がらないのも事実だ。
仕方ねーな…と思いながらも引き受けた。
俺がいなくても、最上来未は十分に話し込めるだろう。