Pathological love
「分かってるよ?ただの気の迷いだって。色々あったから、少しほだされているだけだと思う。あっちは私に、興味ないし、時が過ぎれば、ちゃんと理解出来るから、心配しないでも大丈夫。ただちょっと一緒にいると安心するって言うか………」
友は大きな溜め息をつくと、両手で顔を覆った。
「令ちゃん………こんな事言うのも悪いんだけど、凄く頭いいくせに、学習能力無くない?」
「あはははは…………だよね………。」
「私は、あの時の様な、辛そうな令ちゃんは、見たくないよ。」
昔を思い出したのか、顔を上げた友の瞳が少し潤んでいる。
自分だけが辛いと思っていた恋愛は、周りまで、苦しめていたのか。
今更だけど、彼女に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「分かってる。まだ、引き返せる程の軽いモノだから、大丈夫よ………ね?」
「令ちゃん、本当ね?………約束よ?」
私は、黙って頷いて見せる。
あの時の、二の舞は私だってごめんだ。
「よし!令ちゃん。今日は飲もう!!どこまでも付き合うよ~!!」
勢いよくジョッキを持った友が、私に向かって掲げた。
「ごめん………友。私、この後まだ家で仕事があるんだ。だから、一杯だけしか飲めない。ごめんね?」
「そっか………急に誘ったのは私だから、気にしないで!それじゃあ私も、一杯だけ………。」
一杯のビールを惜しみながら、私達は久し振りの女子会トークに花を咲かせた。