Pathological love
あれから何とか私は、一週間の料理当番をこなし、京子さんの印象も良く、最後の夕食を迎えることとなった。
(あぁ…長かった。後はこのカレーを運べば、料理は無事クリアーね…。)
最後の皿をテーブルの京子さんの前に置いた時だった。
「ねぇ、令子ちゃん。最後にデザート作ってよ。」
「えっ?デッデザート?!」
「それで、合格にするから!!ん~…そうね…………あっ!パンケーキ!生クリームたっぷりのパンケーキがいいわ!材料は確か、前に奏也が買ってたからあると思うし。簡単でしょ?」
「ええ………まあ………。」
「じゃあ、お願いね。それまでに、簡単な仕事片付けちゃうから。」
そう言うと、京子さんはさっさと部屋に戻って行った。
「パンケーキ…………そんなの作った事ない…………。」
呆然とキッチンに立ち尽くしていると、メールの着信音がした。
我に返り、携帯を見ると、連理からのメールだった。
“最後の料理、上手くいったか?”
私は、藁をも掴む思いで、連理に返信した。
「“パンケーキって、どう作るの?至急、教えて!!”っと………連理、早く返信ちょうだい………。」
私は、祈るような気持ちで送信ボタンをタッチした。
その後、待てど暮らせど彼からは返信が無かった。
私は、焦りながらも、取り敢えず盛り付けるフルーツをカットしていた。
さすがに、もう切るものも無くなって、生クリームのパックを手にして、頭を悩ませる。