Pathological love
「相変わらず、料理の腕前はプロ顔負けね~!売り物みたいなパンケーキだわ!!」
京子さんが、早速パンケーキにナイフを入れて、たっぷり生クリームとイチゴを乗せて、一口。
「んんっーー!!おいしぃ~!!あれ?生クリーム甘くないのね?」
「えっ?」
(やばいっ!!砂糖入れるの忘れてた!!どうしよぅ~………。)
とっさに連理に視線をやると、彼は何でも無いように、また、京子さんの方に向き直ると、淡々と説明し始めた。
「ああ、それはあえてです。最初はパンケーキの味を、楽しんでもらって、その後にソースをかけて食べてもらおうと思って。令子、俺が持ってきた袋の中に、チョコソースが入っているから持ってきて。」
「う…うん!」
連理が買ってきたチョコソースは、やっぱりこだわりの極旨ソースで、私の出来損ないクリームを上手くカバーしてくれた。
「本当に美味しい………。」
京子さんの大絶賛の騒ぎの中、私も、思わず口走っていた。
人目もあるので、一口で我慢しようと思ったのに、あまりの美味しさでフォークが止まらない。
京子さんと奏也さんも、デザート談義に盛り上がっているからいいかと、すっかりパンケーキに夢中になっていると、横から肘を突かれた。
「連理…これ、極うまだよ!やっぱりあんた凄い!!」
思い余って、小声で感想を伝えると、一瞬、照れたように下唇を噛んで、彼もまた、何か伝えようと口を動かした。