Pathological love
不思議そうに私を見つめる花枝を見て、私は閃いた。
社内でも有名な素敵な旦那を捕まえた、人生の成功者 泉 花枝なら、何かいい方法を知っているかも知れない。
「花枝。今日、飲みに行かない?」
「えっ?今日?千春さんは、今日も遅いから大丈夫だと思うけど………随分唐突ね?」
「いいじゃない、たまには。」
腑に落ちない様な顔をしながらも納得したのか、花枝はパッと笑顔になった。
相変わらず、切り替えが早くて助かる。
「じゃあ、定時後ね!」
少しでも自分に生かせる情報を探して、私は踠いていた。
定時後、飲み会の場所に選んだのは、私のお気に入りの焼き鳥屋さん。
花枝の他にも、デザイン部の穂純ちゃんと、うちの美保ちゃんも誘っての飲み会だ。
「それでは4人での、初飲みにカンパーイ!!」
キンキンに冷えたビールを、誰の目も気にせず飲み干すと、4人の声が揃った。
『あぁ~~~!!!』
「やっぱり、金曜の夜のビールは最高ですね~~!!」
美保ちゃんが、テンションMaxで第一声を発した。
「この為に節約頑張ってたもんね~。」
「はいっ!これが唯一の楽しみなんで!」
「取り敢えず、初めての人も居るから簡単に自己紹介する?」
「そうね。じゃあ、主催者の私から。私は、営業一課の水川 令子です。」
「またの名を………」
『営業一課のクィーン!!』
花枝と美保ちゃんが声を合わせてユニゾンする。
「クィーン?初めて聞きましたけど、やっぱりって感じです!」