Pathological love
(美保ちゃん凄い……。)
「子供の頃は好きな物や人に、好きって言っていたでしょ?それと同じです。明日、何があるか分からないから、私は、毎日悔いを残さない様にしているんです!!」
『おぉ~~!!!』
「明日、何があるか分からない」美保ちゃんのこの一言に私は惹かれた。
やらないで、伝えないで、後悔したことが沢山ある。
もう、後悔はしたくない。
心の中で私は、強く共感した。
「それじゃ、そろそろ令子の話、聞かせて貰おうかな?十分勿体振ったんだから、もういいでしょ?」
折角、上手くやり過ごそうと思ってたのに、花枝が嫌なパスを振ってきた。
「私達は別に何も無いわよ!普通よ普通!」
「婚約したばかりで普通は無いでしょ?ラブラブエピソード聞かせてよ?」
「無いったらっ!!」
二人で揉めていると、穂純ちゃんが、勢いよく手を挙げた。
「あっ!私、目撃しました!!」
「えっ!何々~~??」
穂純ちゃんは、思い出したのが、少し頬を赤らめながら、楽しそうに話し出した。
「M&Jのリテイク事件の時なんですけど、何とか入稿が間に合って、休憩してもらおうと、差し入れを買いに行って戻って来たら、令子さんの膝枕で秋山さんが寝てたんですぅ~~!!」
『きゃーー!!』
(あぁ、あの時の事ね………見られてたのか。)
「その後がまたいいんですぅ!!」
「その後?」
「はい!私が、声を掛けていいのか迷っていたら、秋山さんが目を覚ましたんです。それで、起き上がると隣に座って、眠っている令子さんの手をそっと握って、それは、それは、愛しそうに見つめていたんですぅ!!素敵だと思いません??」