Pathological love

(美保ちゃん凄い……。)


「子供の頃は好きな物や人に、好きって言っていたでしょ?それと同じです。明日、何があるか分からないから、私は、毎日悔いを残さない様にしているんです!!」


『おぉ~~!!!』


「明日、何があるか分からない」美保ちゃんのこの一言に私は惹かれた。

やらないで、伝えないで、後悔したことが沢山ある。

もう、後悔はしたくない。

心の中で私は、強く共感した。


「それじゃ、そろそろ令子の話、聞かせて貰おうかな?十分勿体振ったんだから、もういいでしょ?」


折角、上手くやり過ごそうと思ってたのに、花枝が嫌なパスを振ってきた。


「私達は別に何も無いわよ!普通よ普通!」


「婚約したばかりで普通は無いでしょ?ラブラブエピソード聞かせてよ?」


「無いったらっ!!」


二人で揉めていると、穂純ちゃんが、勢いよく手を挙げた。


「あっ!私、目撃しました!!」


「えっ!何々~~??」


穂純ちゃんは、思い出したのが、少し頬を赤らめながら、楽しそうに話し出した。


「M&Jのリテイク事件の時なんですけど、何とか入稿が間に合って、休憩してもらおうと、差し入れを買いに行って戻って来たら、令子さんの膝枕で秋山さんが寝てたんですぅ~~!!」


『きゃーー!!』


(あぁ、あの時の事ね………見られてたのか。)


「その後がまたいいんですぅ!!」


「その後?」


「はい!私が、声を掛けていいのか迷っていたら、秋山さんが目を覚ましたんです。それで、起き上がると隣に座って、眠っている令子さんの手をそっと握って、それは、それは、愛しそうに見つめていたんですぅ!!素敵だと思いません??」


< 119 / 299 >

この作品をシェア

pagetop