Pathological love

「秋山くん、一言挨拶を。」


「はい。皆さん初めまして、秋山 連理(あきやま れんり)と申します。出向と言う形ですが、気兼ねなく声を掛けて下さい。デザインの事なら外注でも相談に乗りますので遠慮なく来てください。宜しくお願いします!」


『宜しくお願いします!!』


(はぁ~~……デザイン部?新しい事に手を出して、クレームつかなきゃいいけど………営業にもとばっちり来ないでしょうね?大体デザイン関係のクリエイターは変わり者多いし、コミュニケーション取り辛いのよね………。どうせネームバリューに釣られて引っ張って来たんでしょ?赤坂部長が好きそうだわ。)


「ふぅーー………。」


こめかみにくる痛みに耐えかねて、メガネを外していると遠くのフロアから赤坂部長のお呼びが掛かった。


「水川くん!秋山くんだ!営業とデザイン部は君達のタックで頑張ってくれよー!!」


自分にスイッチを入れて、ぼやけた遠くの人集りに声を張り上げた。


「営業一課の主任、水川 令子です。宜しくお願いします!」


「彼女は営業一課のクィーンなんだよ!!」


部長のヨイショもいつもの様にサラッと流して席を立つ。


「赤坂部長!すいません、今から先方と打ち合わせがありますので、私はこれで………ー」


「おぉ、そうか!引き留めて悪かったな。もう行っていいぞ!!」


「はい!それでは失礼します!………小森くん資料の準備はー」


後ろを向きながら一歩踏み出した時だった。


前を見ていなかったので、トンっと何かにぶつかった。


「わぁ!!」


よろけそうになるのを腕を掴まれて支えられる。


「大丈夫ですか?水川さん。」


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