Pathological love

京子さんの言葉を受けて奏也さんを見ると、当然の様に全く否定する素振りを見せない。


「そっ、そんな………そんな筈無いですっ!!だって、自分を好きになる奴とは婚約出来ないって、はっきり言ったもの………私以外の女の人だっていっぱい居るし、絶対あり得ません!!」


「それは、一体どうゆうこと?」


不意に出てきた希望に、勢いで口走ってしまっていた。

私と彼の秘密の契約関係。

この人達には嘘はつきたくないとゆう思いが勝って、私は洗いざらいを全て京子さん達に話した。

二人は驚きながらも、最後まで聞いてくれた。


「なるほどね。あの連理が普通に婚約なんて、可笑しいと思ったのよね。令子ちゃん………連理は、遊びが過ぎると思うけど、今まで特定の女の子と長く一緒に居た事は無いわ。この前の二人の様子を見たけど、あなたの事……凄く優しい目で見てた。私が知る中では初めての事よ。だから、あの子に突き放されても見捨て無いで欲しい。」


「でも、また突き放されるのは辛いです………。」


また涙がポトッと自分の膝の上に落ちた。

連理の事を考えただけで、渇れたと思った涙も直ぐ沸き上がってきて、零れ落ちる。


「………本心じゃない。彼奴は極度の寂しがり屋なんです。隠すのが上手いだけ。でも、令子さんには心を開いてる時がある気がする。………だから、もう少し頑張って貰えませんか?」


「奏也さんは、どうしてそんなに、連理の事を知っているんですか?」


奏也さんは小さく溜め息を吐いて、一度私から視線を外すと、少し間を置いてまた私に目を合わせた。


「彼奴の家と俺の家は隣同士なんです。彼奴の家は複雑で、連理の父親が外で産ませた子供を養子に入れたんです。その子が連理でした。」


(愛人の子…………。)


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