Pathological love

「はい…どうぞ。」


勢いよく振り向いた瞬間、予想外に近づいていた彼女にぶつかった。


「わっ!!」


膝の痛みと共に気づくと、彼女に覆い被さる様にして私は床に倒れ込んでいた。


「ごめん!大丈夫?怪我してない?」


慌てて起き上がり彼女の腕を引き上げると、とんでもないモノが私の目に飛び込んできた。

倒れ込むとき時、私が掴んだ所為でブラウスのボタンが弾け飛んで、かなりのボリュームの胸が露になっていたのだ。


「あっすいません…大丈夫です。……きゃっ!!」


私の視線で自分の状態に気づいたのか、顔を真っ赤にして胸元を押さえている。


「悪かったわね…着替えは持ってる?」


「はい。ロッカーに…あります。」


「それなら良かったわ。悪いけどこれで新しいのを買ってくれる?」


財布からお札を出して彼女に差し出した。


「いえっいいんですっ!!ボタン取れただけですし、お世話になっておいて受け取れません!!」


「いいのよ。買って渡す時間が無いから本当に悪いんだけど………。」


半ば強引に彼女の手にお札を握らせた時だった。


「わぁ?!何?………ちょっと、ちょっと!!」


振り向くと女子社員数人が給湯室の入り口で固まっている。


「えっ?何って………。」


確かに客観的に考えてみると、この状態はかなり怪しい。

二人で床に倒れ込んでて、片方は胸元がはだけ、私はと言えばその彼女に札を無理矢理握らせている。


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