Pathological love
「ちょっと?!!何?!」
はだけたシャツからは筋肉質な胸板が覗いている。
今の私には目の毒だ。
必死になって手を外そうとしていると、その胸に引き寄せられる。
「わぁっ!!」
直接頬に触れると余計にその熱が伝わる。
彼の匂いと香水の香りが混ざって、私を誘惑する。
「………寂しい………独りは嫌だ………。」
私の腕は、そのままベットに沈められ、見上げた視界いっぱいに連理が満ちた。
苦しいくらいに切なく胸を打つ彼の声が、また私を鼓舞する。
「………独りになんか絶対にしないよ………。」
連理は穏やかに笑うと、虚ろな瞳を更にキュッと細めて私に向かってゆっくりと落ちてきた。
甘える猫の様に、私の頬に鼻を擦り寄せると、安心したのか小さく寝息が聞こえてきた。
「何だ………キスされるかと思った。………フフッ……………。」
彼を抱き締めたまま、私も目を閉じる事にした。
明日、起きたらちゃんと仲直りしよう。
今日の事を彼が忘れていても構わない。
また一から始める覚悟は出来ている。
「………掛かってこい………baby…。」
私はもう一度、彼をギュッと抱き締めた。