Pathological love
12. resolve
少し肌寒い空気に俺は目を覚ました。
久し振りに朝まで熟睡したみたいで、寝返りを打たない身体は固まっていて背中が痛い。
それでも、暖かい布団から出るのが億劫で、俺は目を閉じたまま近くの布団を掻き寄せて抱いた。
フワッと何かの匂いが俺の鼻をくすぐる。
甘くてきつい女の香水とも違う、妙に安心する優しい香り。
思わず顔を寄せて擦り寄ると、何とも言えない感触が俺の身体に広がった。
なんか柔らかくて、暖かい物がある、掻き寄せて抱いたものは女だった。
(ッ!!?………何?!全然覚えてない………。)
恐る恐るその女の顔を確認する。
ベージュのブランケットの中から顔を出していたのは見覚えのある顔だった。
「れっ…令子?!!!」
心臓が飛び上がって、慌てて離れて自分の衣服を確認する。
「何があった…………?どうして、ここに………俺ら喧嘩してなかったっけ?」
上はすっかりはだけている………まぁ、………safe。
下はベルトが外れてて、チャックが開いている………out。
ブランケットにくるまっている彼女を覗き込んだ。
すっぴんで寝息を立てる令子の、あどけない顔から目が離せない。
(…………可愛ー)
「………んん………。」
令子が小さく声をあげた。
「ッ?!!」
(俺、今なんて言おうとした?)
寝返りを打って丸まる令子は、あの猫達の様に見えて、余計可愛らしく見えた。
ぽてっとした唇を微かに開けて気持ち良さそうだ。
(そういえばこの唇……)
思い出すと、今でも心臓が暴れだす。