Pathological love
奏也さんが耐熱性のガラスのポットに紅茶を入れて持って来た。
琥珀色の紅茶の中には、桃が沢山切って入っていて、いかにも美味しそうだ。
フレッシュピーチティーの香りにつられながら、私はアップルパイを皿に取り分けた。
一週間の間、家事を手伝っていた所為で、何かしら手伝わないと落ち着かない。
「やだ、令子ちゃん。手伝わなくても、もういいのよ?」
「そうなんですけど………すいません。」
「何で謝るのよ~!」
少しの緊張感が漂う中、私は出された紅茶を飲んで喉を潤した。
「今日は、私の気持ちをお二人に伝えようと思いまして、お邪魔させて頂きました…。」
二人の視線が痛い。
「あの………それで、何と言いますか………えー………、こんな歳してこんな事、宣言しに来るのもなんなんですが…………ー」
「あぁーー!!だから何なの?!要するにあの子の事、好きなの?嫌いなの?スパッと言って!!」
「すっ好きです!!!」
人前で言葉に出して言うのは、とてつもなく恥ずかしい。
私の顔は、一気に沸騰した。
その証拠に、京子さんはニヤニヤ私を見ているし、あの無表情の奏也さんでさえ、優しく微笑んでいる。
「あぁ~………もう、勘弁してください…。恥ずかしくて死にそうです。」
「あはははっ!!ごめん、ごめん!!でも、令子ちゃん可愛いわ!」
「京子さ~…ん!!」