Pathological love
気休めに自分の手の平で火照った顔を扇いでいると、奏也さんが私に向かって頭を下げた。
「令子さん………本当にありがとうございます。」
「奏也さん?!何してるんですか?頭を上げて下さい!大袈裟ですよ……私に何が出来るか分からないのに。」
「いえ………、今まであなたの様に彼奴の内側まで理解してくれる人はいませんでした。隠すのが上手かったってゆう理由もありますが………。でも、令子さんのお陰で、彼奴の心境も変わってきています。令子さんと婚約したのがいい証拠です。このままではいられない事に気づいている。令子さんにはプレッシャーになるかも知れませんが、あなたにしか彼奴を頼めません。どうか、宜しくお願いします!」
深々と頭を下げる奏也さんは真剣そのもので、どれ程連理を心配して、大事に思っているかが伝わってきた。
私も彼の気持ちに真剣に答えなくちゃいけない。
「分かりました。でも、奏也さんに頼まれたからじゃありません。私が彼を必要としているからです。」
「………令子さん………。」
「令子ちゃんって、いい女ね!!」
「京子さん………茶化さないで下さい!」
「ひど~い!!真剣に言ってるのにぃ~!!」
「そんな風に見えません。」
暫く三人でふざけて笑いあっていると、京子さんが思い出した様に声をあげた。
「あっ!そうだ!!令子ちゃん!!」
「はっはいっ!!」
「これから、どうゆう作戦で行くか考えてあるの~?出来る女の戦法…興味あるわぁ~…?」