Pathological love
「あぁ~…飲みすぎたぁ。」
大袈裟にソファーに倒れ込むと、私はクッションを抱き締めて目を閉じた。
「おい………ここで寝るなよ?隣なんだから部屋に帰って寝ろって!」
「えぇ~…やだ!部屋寒いし、お風呂にも入ってきたし、このままこっちで寝たい。この前も一緒に寝たし、別にもういいでしょ?」
「はぁ?………ダメだって!!」
ソファーに寝ている私の横に来ると、無理やり私を揺さぶる。
「もう!!なんで?なんでダメなの?別に私を女として見てないんだから一緒に寝たって平気でしょ?泥酔したあんたを介抱してあげたのは誰だっけかなぁ~?」
「そうだけど………」
「じゃあ、寝よ。連理のベットっていいマットレス使ってるよねぇ?どこのやつ?私も換えよっかなぁ。最近腰が痛くってさぁ。」
わざと色気の無い話をしながら寝室へ向かう。
彼のベットは独り暮らしの癖にクイーンサイズで、二人で寝てもかなりの余裕がある。
密着する事も無いから、恐らく心配するような情事は起きないだろう。
それ以前に連理は私に手を出さない理由がある。
「あぁ~…これこれ!気持ちいい。あぁ…最高。もぅ私…限界…おやすみ………。」
我ながら完璧な演技。
目を閉じながら様子を窺っていると、盛大な溜め息の後、暫くしてガサゴソと隣に入って来る気配がした。
私はこっそりほくそ笑むと、気持ちいい酔いに任せて今度は本当に眠りに着いた。