Pathological love

飲みすぎた所為で夜中に目を覚ました私は、トイレへと起きた。

用を足して戻ってくると連理が寝返りを打っていて、隠れていた顔がこちらを向いている。

真っ暗の部屋の中、彼の寝顔をよく見てみたくなった私は、遮光カーテンの隙間から月の光が洩れている事に気がついた。

ひんやりとする冷たい床にそっと足を忍ばせて、ドレープカーテンをゆっくりと引く。

蒼白い優しい光を部屋の中へと導くと、私はベットに戻った。


「…やっと………見れた。」


安らかに眠る彼の顔は、実年齢よりかなり若く見えた。

母親に見捨てられた子と母親に束縛される子。

私達が出会ったのは、何かの運命なのかも知れない。


“自分の子供だと思って、愛情を持って接してください。”


私の手は、無意識に彼へと伸びて頭を撫でていた。

少し癖のあるふわふわの髪に触れると、私の胸はキュンと締め付けられる。

何処から沸いてくるのか、“この人を救いたい”とゆう気持ちが日に日に強くなっている気がする。

彼の過去を知ってしまったからだろうか。

理由なんてどうでもいい、彼を好きな気持ちに変わりは無いのだから。

連理を一頻り眺めると、私はそっとベットの端に戻った。

今は少しずつ距離を縮めて行こう。

臆病で、人一倍寂しがり屋の彼の為に………。



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