Pathological love
13. near you

営業一課のキングこと、山川 輝一の仕切りで午後の会議が始まった。

いつもはチーム毎の打ち合わせなのだが、山川君が取ってきた仕事がかなりの大手化粧品会社 白精堂(はくせいどう)だった為、選抜チームが選出されて、タックを組むこととなったのだ。


「新しい化粧品ブランドの立ち上げに伴い、CM、雑誌、駅広告、イベントなどを予定しています。白精堂さんも今回の商品に社運を賭けるそうなので皆さんもそのつもりで臨んでください!!化粧品なので、どんどん女性の意見を参考にしたいと考えておりますので、宜しくお願いします!!」


「はい!」


山川くんの気合いの入った締めの言葉で会議はお開きとなった。

今回のチーム長は当然の如く山川くんだ。

私はサポートに回るので気分的には余裕がある。

会議終りに何時ものように、喫煙室に一歩入って立ち止まった。


「あぁ~………やめたんだったぁ~…………。」


徳永さんと話し合って別れた後、ずっとやめれずにいた煙草もやめる事にした。

ポケットからミントの粒ガムを取り出して口に含む。


「あぁ~…吸いたいぃ~!!」


「あれ?水川さん、禁煙ですか?」


自販機で買ったブラックコーヒーを片手に持って、山川くんが隣に座って来た。


「ええ………やめる事にしたの。身体にも悪いしね。」


「あぁ~!!子作りの準備ですか?」


「はぁ?!!なっ何言ってるの?!」


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